『歯列矯正』とは、見た目を良くするために行う審美的治療と思われがちです。しかし、実際は身体の健康のために行う、予防的な医療という側面もあるのです。不正咬合が身体に及ぼす悪影響について下記に記載いたします。
歯並びが悪いと、歯磨きがうまくできません。また、食べ物が歯の間にはさまりやすくなってしまいます。そのため、むし歯や歯周病になりやすいのです。あまり知られていませんが、歯を失ってしまう理由で最も多いのは歯周病なのです。一度進行してしまった歯周病というのは、治すことが出来なくなってしまうのです。
日本人は平均して80歳くらいまでの寿命があります。その間出来るだけ長い間、自分の歯で美味しく食事をとるには、むし歯や歯周病が発生しにくい環境を整えることが重要となります。矯正治療を行い、歯並びがきれいになると、毎日の歯磨きがとても良くできるようになります。長年にわたり毎日行わなければいけないことなので、当然大きな違いとなるのです。
また、歯並びが悪い場合、食べ物を噛むときにあまり使われない歯があるので、特定の歯に力が集中することになります。咬み合わせを良くすると、それぞれの歯が咬む力を均等に分け合うことにもなり、歯にかかる負担が減り、歯周病の進行するリスクを大きく抑制することが出来るのです。
正しい位置で正しい咬み合わせをすることは、身体のバランスにとっても非常に重要です。咬む運動にかかわる筋肉は意外と沢山あります。それらの筋肉は体全体を動かす時にも重要な役割を果たしてします。そのため、正しく咬んでいないと顎関節(がくかんせつ)に負担がかかったり、肩こり・姿勢の悪化の原因となったりするなど、様々な悪影響を及ぼします。
歯並びに悩まれている方の多くは、「思いっきり笑えない」「いつも口元が気になる」といった見た目の問題からストレスを非常に感じています。しかしその他にもストレスの原因となっている可能性があるのです。
例えば、砂粒のような小さなものをほんの一粒でも咬んでいると、ジャリジャリとして気持ち悪い感じがしますよね。歯並びが悪いと、その繊細な感覚をうまく感じることができなくなってしまいます。この感覚というのは、繊細なものなので、正しい咬み方をしていないと、口にした物と、実際の感覚にズレが生じて、知らず知らずのうちにストレスを感じてしまうということが言われています。
これらは、歯並びが悪いことで起こりうる悪影響のほんの一部です。しっかりと歯並びを矯正することで、見た目はもちろん、身体にとっても良い影響が多くあるのです。